Raspberry Pi + FreePBX + brastel で固定電話をつくる⑤ バックアップSDをつくる


Raspberry Piで稼働しているFreePBXですが、バックアップを取っておきます。

Win32DiskImager でのバックアップが一般的らしいですが、SDカードを取り外して、PCでの作業が必要ですし、読み出しには時間がかかります。
実は一度試してみたのですが、バックアップイメージを作った後、SDへの書き戻してみたところ、同じ容量のSDにもかかわらず容量が足りないと怒られてできませんでした。
他の方法を探してみると、rpi-clone というものでの予備のSDカードへのバックアップ方法が良さそうなので、そのやり方を書いていきます。


バックアップの下準備


rpi-clone を使用します。

TeraTermでRaspberry Piに接続します。


git というものが必要だが、入ってないようです。

apt-get install git

git clone https://github.com/billw2/rpi-clone.git



ホルダの移動
cd rpi-clone

コマンドの試し実行
./rpi-clone

説明が出れば下準備はOKのようです。


SDカードリーダーのドライブ確認


SDカードは、SDカードリーダーでRaspberry Piに接続します。

lsblk
と入力して、ドライブ構成を確認します。

root@raspbx:~# lsblk
NAME        MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sdd           8:48   1 14.4G  0 disk
mqsdd1        8:49   1 14.4G  0 part
mmcblk0     179:0    0 14.9G  0 disk
tqmmcblk0p1 179:1    0   75M  0 part /boot
mqmmcblk0p2 179:2    0 14.8G  0 part /
zram0       254:0    0   51M  0 disk [SWAP]
zram1       254:1    0   51M  0 disk [SWAP]
zram2       254:2    0   51M  0 disk [SWAP]
zram3       254:3    0   51M  0 disk [SWAP]

sddが、USBに接続したSDカードリーダーのSDカードのようです。


バックアップの実行


コマンドを実行します。

./rpi-clone sdd -f

y
空白 エンター

待ちます。
最後に、アンマウントするかと聞かれるので、エンター

・・・約18分で終了

これは、Win32DiskImagerでイメージをつくるよりも相当早いです。
少なくとも半分ぐらいにはなってそうです。
必要なファイルのみを対象にしているようです。

二回目以降は、 -f オプションナシで良いようで、差分バックアップになるようです。

ちなみに、-f オプション無しで、約一ヶ月後にバックアップをとってみたところ、約5分で終了しました。
これは使えます。

最後に


Raspberry PiのSDカードを、バックアップしたSDカードに差し替えて起動してみました。
何事もなく起動してくれました。
Win32DiskImagerの苦労が嘘のようです。

SDカードの容量も、同容量のSDカードを準備する必要はなく、ファイルの使用容量分があれば良いようです。

あと、この方法だとRaspbianをシャットダウンする必要がないので、手軽にバックアップがとれます。

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Raspberry Pi + FreePBX + brastel で固定電話をつくる④ 留守番電メッセージのメール設定



Raspberry PiのFreePBX (RasPBX)のVoicemail (留守電)メッセージをメールで受け取る方法です。
FreePBXでの設定は簡単ですが、その前のRaspbianでの準備がなかなか面倒です。
やり方は、いくつかありそうですが、Gmailと、exim4を使ってうまくいきました。


Raspbian でのEmail設定

TeraTermでRaspberry Piに接続します。

dpkg-reconfigure exim4-config


最初のページで、 mail sent by smarthost; received via SMTP or fetchmail を選択


Please enter the IP address or the host name of a mail server…
で始まるページまでデフォルトの設定のまま進みます。







電子メールプロバイダのSMTPホスト名を入力します。
Gmailの場合、
smtp.gmail.com::587



後はひたすらデフォルト値のままエンターを押し続けて終了します。






次は下記のコマンドで passwd.clientファイルを編集します。
nano /etc/exim4/passwd.client


Gmailの場合、以下を追記します。

gmail-smtp.l.google.com:my_name@gmail.com:my_password
smtp.google.com:my_name@gmail.com:my_password
*.google.com:my_name@gmail.com:my_password
gmail-smtp-msa.l.google.com:my_name@gmail.com:my_password

 ※my_name をメールのアカウント名、my_password をアカウントのパスワードのことです。

ctrl+O を押して、Yを押してファイル名を確認してセーブします。


次に、emailアドレスの設定。

nano /etc/email-addresses

最後に、以下を追加

root: my_name@gmail.com
asterisk: my_name@gmail.com

 ※my_name をメールのアカウント名、my_password をアカウントのパスワードのことです。

ctrl+O を押して、Yを押してファイル名を確認してセーブします。

セーブした後、次のコマンドを実施して設定を反映

update-exim4.conf



Raspbian でのEmailのテスト


emailが発信できるか確認します。

test という題名で、abc@gmail.com に、テスト という本文を送る場合です。

mail -s test abc@gmail.com
Cc:
テスト


本文は、 ctrl + d  で終了します。

メールが届けば、下準備は完了しました。
次は、FreePBXの設定します。



Gmail にブロックされる場合


Gmailに、Raspberry Piからのアクセスを拒否されました。
メッセージは、以下のようなもので、メールで届きます。

「ブロックされたログインについてご確認ください

my_name 様
アカウントに危険を及ぼすおそれのあるアプリからの Google アカウント my_name@gmail.com へのログインをブロックしました。 ・・・ 」

これは、 「安全性の低いアプリへのアクセスを許可」をクリックして、設定を変えることで回避できます。
ただし、Googleの警告どおりセキュリティーレベルは下がることは覚悟するしかなさそうです。



FreePBXのVoice Mail (留守電)用Emailアドレス指定


ようやく、FreePBXの設定です。

まず、Voicemail(留守電)用のEmailアドレスを追加します。

Applications → Extensions
Voicemailが設定してある内線の、ノートと鉛筆アイコンをクリックして編集を開始します。

Voicemailタブの
Enabled は、Yes でなけれれば、Yes に設定します。
Email Address に、留守電のメール送信先を指定します。例えば、 my_name@gmail.com

Email Attachment は、録音した音声を添付するので、 Yes を選択します。
Delete Voicemail は、音声を添付したら、録音を削除する場合は Yes  を選択します。
削除しない場合は、手作業で削除する事になります。

あとは、 Submit を押して、 Apply Configを押します。

これで留守電に録音されたメッセージが、指定したメールアドレスに届くようになりました。



FreePBXのVoice Mail (留守電)のEmail メッセージの設定


留守電で届くメッセージは、以下のようなものが届きます。

Voice Mail,

There is a new voicemail in mailbox 990:

    From:    "05066661234" <05066661234>
    Length:    0:04 seconds
    Date:    Monday, April 1, 2018 at 01:00:00 PM

Dial *98 to access your voicemail by phone.
Visit http://AMPWEBADDRESS/ucp to check your voicemail with a web browser.

これは、変えることができます。

Settings → Voicemail Admin
Settings タブ の、 Email Config タブ


Email Subject で、Emailの題名を 留守番電話 と指定し、

Email Body で、本文を指定します。
 番号: ${VM_CALLERID}
 長さ: ${VM_DUR} 秒
 日時: ${VM_DATE}
としました。

Email From String で、Emailの送信者を 留守番電話 と指定し、

Email Date Format は、日本らしい順番に直しました。
%Y, %B %d, %A  at %r

届いたメールは、以下のようになります。

留守番電話

    番号:    "05066661234" <05066661234>
    長さ:    0:03 秒
    日時:    2018, April 30, Monday  at 04:58:18 PM

少しわかりやすくなりました。

あと、Limits タブの中の Max messagge Length(Seconds) を 180 秒にしました。
あまり、長くしていると、自動応答タイプの迷惑電話を延々録音してしまうことがあるため、短くしました。



最後に


これで、FreePBXに、使える留守電が付きました。

ブラステルを使っていると、相手の電話番号、音声がメールで届くのでとても便利です。
しかも、これを月額基本料無料で実現できます。
ありがたいことです。

あと、メール設定が有効になるので、FreePBXの情報がメールで届くようになります。モジュールのアップデート情報や、Fail2banの情報が届くなるので、設定したかいがありました。
また、Raspbianの状態についてもメールで届くようにできるので、管理が楽になります。

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